出会い系サイトの利用者数がここ数年で急増しています。
スマートフォンを活用するだけで気軽に異性と交流できるようになり、一般人が利用する垣根が低くなりました。
その反面、出会い系サイトにはまだ問題が根強く残っています。
中には、犯罪に巻き込まれたり、個人情報を抜き取られるケースも。
トラブルに遭遇しても冷静に対処できるよう、リスクを考慮して使いたいものです。
この記事では、出会い系サイトを通じたトラブルの具体的なケースや、国が法律で講じている対策を紹介します。
出会い系サイトにおける問題
出会い系サイトのセキュリティは近年上がってきており、一般人が使ったとしてもトラブルに巻き込まれるケースは多くはありません。
ただ、これから出会う人が「犯罪やトラブルを起こさない人だ」と100%保証できるわけでもないのが現状です。
出会い系サイトにおける問題
出会い系サイトのセキュリティは近年上がってきており、一般人が使ったとしてもトラブルに巻き込まれるケースは多くはありません。
ただ、これから出会う人が「犯罪やトラブルを起こさない人だ」と100%保証できるわけでもないのが現状です。
犯罪が多発
出会い系サイトを通じた犯罪は買春・売春、強制わいせつ、恐喝などが例に挙げられます。
公安委員会から正式に認可された出会い系サイトでは、買春・売春を促す書き込みを禁止さしており、それでも書き込むと場合によっては罰せられます。
それでも「割り切り」など、売春を誘う隠語を用いて異性に金銭の絡んだ交際を持ちかけるケースが後を絶ちません。
相手が望んでいないのに、性的な関係に強引に引き込む強制わいせつもよくあるケース。
恐喝・脅迫は、交際を求めたのに断られた場合、ストーカー行為に近い行為としてよく見られるトラブル。
出会い系サイトでお互いに「いいね!」を押してマッチングが成立し、実際に会い、住所や電話番号などの個人情報を明かした後に起こりうるケースです。
たとえば住所や電話番号など連絡先を知られていた場合、自宅や携帯電話に脅しの電話が来ることは覚悟しておいたほうがいいかもしれません。
警察に相談し、近所の人とも連携してストーカー対策を施せば、普段の男女関係と同様に犯罪を防ぐことができるでしょう。
悪質な出会い系アプリの増加
個人情報を抜き取る悪質な業者が存在することも、出会い系アプリを使うリスクの一つだと言えます。
iPhoneの場合はアプリ認証が比較的厳しいため、悪質な業者が提供している出会い系アプリにめぐり合うことはあまりありません。
でも、Android携帯のユーザーは要注意。アプリによってはウイルスが仕込まれていて、パスワードなど自分にとって大事な情報をたやすく盗まれてしまいます。
特に18歳未満の被害が深刻
出会い系のサービスは年々、本人認証で年齢を確かめることが厳格になってきました。
そのため、18歳未満の子どもが出会い系サイト、アプリを経由して犯罪被害に遭うケースは減りました。
一方で、年齢確認をしていない悪質な出会い系アプリや、匿名で登録するコミュニティサービスを中心に児童の被害件数は増加の一途をたどっています。
18歳未満の子どもがインターネットを通じて出会おうとするなら「抜け道」として年齢確認が必要ないサイトを利用することは考えられます。
これにつけ込み、児童買春や暴力などの被害に巻き込もうとする業者が後を絶ちません。
ここで言うコミュニティサービスは、TwitterやLINEなど、年齢確認をしなくても容易に登録できる無料のSNSも含みます。
Twitterで身分を偽るなどして、ダイレクトメールで接近し、児童売春を迫るのが一般的です。
また、子どもにわいせつな画像を送らせて、もらった画像をインターネット上にばらまく児童ポルノ法違反となる行為も横行しており、被害児童数は減っていません。
警察庁はサイバー犯罪の対策部署を増強するなどして、出会い系サイト以上にSNSや「闇出会い系」への取り締まりを強化しています。
ただ、被害に遭った子ども自身も出会いを求めていることから、「18歳以上の社会人です」と名乗り、身分を偽ってインターネット上で振る舞っています。
子ども側が嘘をついていることが原因で、警察も犯罪を未然に防ごうにも二の足を踏んでいます。
児童の被害防止はなかなか進んでいないのが現状だと言えるでしょう。
サクラ
アプリによっては、写真を流用してかわいらしい女性になりますまし、男性がメッセージを送っている場合もあります。
女性会員がたくさんいる!と思ってもなかなか出会いにつながらず、課金だけが積み重なるようになってきたら、サクラの存在を疑うべきです。
出会い系アプリの中でサクラの存在が疑われているサイトのひとつが「i-Mail」。
警察を管轄する公安委員会に届け出を済ませた出会い系アプリですが、女性側から「遊ぼう」とメッセージが来ても、ドタキャンなどで実際には会えないケースが多発しています。
i-Mailのように、実際には出会えないのに利用料金だけがかさむ出会い系サイトの特徴は、メッセージごとに課金される方式であること。
送受信するメッセージの数が多ければ多いほど運営側は得をするんです。
「i-Mail」iPhoneアプリのカスタマーレビューを見ると、良い評価ばかりが並んでいます。
一方でネットを検索すると「サクラしかいない」とのブログ記事が並んでいます。
アプリのレビューとブログ記事のどちらを信用するかはユーザー次第ですが、アプリのレビューや星の数が「圧倒的に正しい」とは信じないほうが良さそうです。
キャッシュバッカー
サクラと同様、メッセージの数を重ねて利用者からお金を巻き上げようとする存在に「キャッシュバッカー」がいます。
サクラは出会い系サイトの運営者側が直接雇うなどして、女性を装ったメッセージを送りますが、キャッシュバッカーは一般人の女性がメールを男性と交わし、男性からお金を得る仕組みです。
出会い系サイトの中には、運営者側が仲介し、男性からもらったメッセージの数に応じて、女性利用者に換金できるポイントを与えるサイトがあります。
サイトによってはシステムを悪用し、お金目的で男性とメッセージを送受信してポイントを得る一般の女性が多く存在します。
mixiのグループ会社「Diverse」が運営する「YYC」も、キャッシュバッカーによる詐欺が疑われる出会い系サイトのひとつ。
YYCは、メッセージの送受信に加えて、異性のプロフィールを見る行為にも課金する仕組みで、利用するとあっという間に数千円も費やしてしまいます。
プロフィールを見るだけで課金されるのはカンベン!という人向けに「VIP会員」の制度も用意されていますが、初月の決済で7000円、次月以降は5000円も支払うんです。
pairsやomiaiなど、大手の出会い系サイトの月額料金が3000〜5000円程度に収まっていることから考えると、少し高めといえそう。
また、VIP会員になってもメッセージの送受信には変わらず課金される仕組みなので、キャッシュバッカーの対策にはなっていません。
援デリ
テレクラに通い詰めて出会いを求める男性も多く存在しましたが、純粋な出会い目的ではなく援助交際を求める女性が多くいました。
出会い系サイトで純粋な出会いを望んでいる人は多いでしょう。
ただ、出会い系サイトでもテレクラと同じように、援助交際を求める書き込みをしてくる女性は存在します。
この女性のことを「援デリ」と言います。
2003年に「出会い系サイト規制法」が制定された影響で、出会い系サイト内で援助交際や買春を持ちかけることは禁じられており、書き込んだ場合は会員登録解除などの措置が取られます。
でも、援デリの女子は「割り切りで」などと巧みに隠語を使い、巧みに金銭が絡んだ交際を求めてくるんです。
援デリの女性が業者を仲介するメリットは、出会い系サイトの運営者にバレないよう巧みに言葉を使い回し、売春まで持ちかけるノウハウを業者が持っていること。
業者も、手間をかけて売春の仲立ちをすることで、マージンを得られることがメリットだと言えます。
金銭の受け渡しが存在する性行為は犯罪です。
出会い系サイトのメッセージの中で、売春を持ちかける言葉を見つけたときはきっぱりと断る勇気を持ちましょう。
美人局
出会い系サイトで異性に出会って仲を深めたとしても、その人が本当に独身で、恋愛を目的にサイトに登録したかを100%確かめる手段はありません。
特にFacebookとアプリを連携させて登録する出会い系アプリの場合は、プロフィールを「独身」と偽ってアプリに潜入する人もいるかもしれませんね。
独身女性と偽り、夫を称する男性が独身男性に脅してくるのが「美人局(つつもたせ)」です。
女性と交際している場面を抑え、男性が恋愛目的で接した場面を抑え「これは不倫だ、慰謝料を求める」と脅迫を受けた被害事例が存在します。
「美人局」の女性と、脅迫してきた男性は必ずしも本当の夫婦とは限りません。
協力者が夫婦と偽り、男女で協力して出会い系サイトの男性ユーザーを脅迫する存在である場合もあります。
「付き合った女性が不倫をしていて、こちらが慰謝料を払わなければならない」
といったケースでも、その場でお金を渡すのではなく、示談書など正式な書類を作ったり、弁護士などに相談したりすればダメージを軽減できる可能性があります。
脅迫してきたカップルが本当の夫婦でない場合は、法的な手続きを取っているうちにその嘘がばれて、賠償そのものがなくなるかもしれませんよね。
個人情報の流出
出会い系サイトを使うなら、メッセージを交わしている間も個人情報の流出には気を付けていたいものでしょう。
知らず知らずの間に、明かしてはならない大事な情報を漏らしていることはよくあります。
また、悪質な業者の運営が疑われる出会い系サイトでは、本人確認のために提出する免許証などの情報も悪用されないか疑ったほうがいいかもしれません。
免許証のうち、本当に必要な内容は「生年月日」と「発行した公安委員会の場所」、「免許証の更新日時」程度です。
これ以外に必要のない住所などの情報は、写真加工アプリを使うなどして黒塗りにし、余計な情報を運営者側に把握されないようにしましょう。
出会い系サイト規制法
国は2003年に出会い系サイト規制法をつくり、05年には改正法を施行しました。
この法律制定や法改正に伴い、出会い系サイトを運営する会社は、事業開始時に公安委員会に届け出をするように定めたんです。
公安委員会から認められた事業者は「インターネット異性紹介事業者」と呼ばれ、異性を紹介する業務のことを「誘引情報提供業務」と呼ぶようになりました。
また、事業者は公安委員会から認可を受けた旨をホームページ上に表示させています。
この場合の「出会い系サイト」の定義は人によって分かれますが、警察は交際目的に異性を紹介するサービスのことを「出会い系サイト」だと定義しました。
異性交際希望者のためのサービスですから、仲間募集のための掲示板や物品販売のためのサイトなど、広い意味での「出会い」を促すサイトは「出会い系」とは定義していません。
出会い系サイト規制法の成立で、元犯罪者など身分上、トラブルが疑われる人が出会い系サイトを運営することは不可能になりました。
それでも悪徳業者が出会い系サイトを運営し、それに巻き込まれる可能性はゼロとは言えない状況です。
法律ではこの他、出会い系サイトの運営者は全てのユーザーから免許証などの写しを提出させるようになりました。
これは、18歳未満の人が出会い系サイトをしていないかチェックするための制度です。
児童を出会い系サイト被害から守る
そもそもこの法律は、18歳未満の児童が出会い系サイトを経由した被害から守ることが大きな目的です。
免許証の提出で年齢確認するように定めたことから、18歳未満の子どもが出会い系サイトに登録することは実質的に不可能になりました。
この効果で、正規の出会い系サイトを通じて18歳が犯罪被害に遭うケースは減りました。
ただ、前述したように、公安委員会から認可を受けていない「闇の出会い系」を使い、トラブルに巻き込まれているケースがかえって増えました。
身分証明書類による運営側のフィルタリングは必ずしも完璧だとは限りません。
万が一、出会い系サイト上で18歳未満の子どもに出くわしても相手にしないことが大切。
実際に会った時に身分証明書を見せ合う必要はありませんが、細心の注意は払うべきです。
また18歳以上であっても、未成年にお酒は飲ませないなど、年下の人には社会人の立場から、常識的な態度で接するべきでしょう。
まとめ
インターネットを使って異性と出会うにはリスクもあることがわかりました。
見ず知らずの人と会うとしたら、思いもよらないトラブルに巻き込まれるリスクがあることを受け入れて行動しましょう。
万が一トラブルに巻き込まれた場合は、その場で一人で判断しないことが重要。
24時間対応の相談窓口や、弁護士に相談する費用を補助してくれるサービスもアプリによっては存在します。
トラブルに遭ってもひとりで悩まずに、身の回りの友人や、法律に詳しい専門家に相談してピンチを回避しましょう。