「ラブ活したい!」と望む参加者から募った料金で運営する出会い系サイトの料金体系はまちまち。
それでも料金の相場はおおむね定まっていて、不当に高いサイトはかわいらしい女性と偽って高額な料金を利用者から奪う「サクラ」を雇っている可能性が高いと考えていいでしょう。
管理人たちが悪徳業者でなくても、出会い系サイトを悪用して男性にお金を支払わせ、男性からのポイントバックで小銭稼ぎをする「キャッシュバッカー」と鉢合わせるかもしれません。
インターネット検索で優良なのか、悪質なサイトなのかを判断してもいいのですが、料金体系から相場を見て一発で判断できたほうがいいですよね。
この記事では、「定額制」「ポイント制」の課金の仕組みや、各機能にかかる料金の説明を通して、出会い系サイトの健全性を見分けるポイントを解説します。
出会い系サイトの料金
出会い系サイトは有料で運営しているものがほとんどですが、無料登録するとお試しポイントがもらえ、ある程度の機能は無料で使うことができます。
その後、サービスを本格的に利用する場合に課金が始まります。
料金の支払い方法は、月ごとに決まった料金を支払う定額制や、異性へメールを送るごとに課金されるポイント制に分かれます。
月ごとに課金する定額制
最近はクレジットカードを使い、月に3000〜4000円を支払う定額制の出会い系サイトが増えてきました。
男性と女性がお互いに「いいね!」を押して、マッチングが成立した相手と実際に会うまでには1カ月のみの課金では時間が足りません。
実際、pairsによると、利用開始からお付き合いに至るまでは4カ月程度の時間を要するといいます。
出会い系サイトには比較的長い間、課金を続けたほうがいいでしょう。
上の図は、pairsの料金表。
細かく料金改定が繰り返されており、11月末現在は上の体系になっています。
1カ月ごとにかかる料金は5460円。
これを12カ月プランの一括払いにすると、1カ月あたり1980円に下がります。
11月初旬の時点では1カ月あたりの料金が3480円、12カ月プランの1カ月あたりの料金が1480円だったことを考えると、プラン加入期間が長ければ長いほど得をするようにサービス提供側が促していることがわかりますね。
pairsとともに、会員数が最近増えてきたomiaiの料金体系も示しましょう。
omiaiの1カ月プランの料金は3980円。
12カ月プランで一括払いをすると、ひと月あたり2780円に安くなります。
6カ月プラン、12カ月プランの場合はポイント数が3カ月以下のプランよりも多くなるようにし、長期的な利用を呼びかけていることが分かりますね。
pairsの料金はomiaiよりもおおむね安いと言えますが、1カ月プランの額だけで言うとomiaiに軍配が上がります。
また、プランの利用期間が長ければ長いほど、pairsのほうが安く上がることもわかりますね。
定額制のサイトを利用する場合は、使う期間を最初に決めてからサービスを選んだほうがいいでしょう。
ポイント制
出会い系サイトでは、課金したお金をポイントに換え、機能を使うごとにポイントを消費する「ポイント制」も出会い系サイトでよく見られる課金方法の一つです。
日本最大級の出会い系サイトで、口コミ評価も良い「PCMAX」の料金体系を例に挙げます。
PCMAXの場合、1ポイント=10円に換算し、各機能を利用するごとに1〜20ポイント(10〜200円)を支払う仕組みです。
PCMAXは料金を全て前払いにしていることから、使いすぎて後から高額の請求が自宅に届いて冷や汗をかく…なんてことはありません。
豊富な運営実績を持っているPCMAXの価格表をもとにポイント比較をすると、優良か悪徳かを見分ける基準となりそうです。
なお、大手のサイトは月ごとの定額制とポイント制を組み合わせることが主流です。
たとえば定額制のサイトは、「いいね!」を押す回数は月ごとに制限があります。
月ごとに「いいね!」を押す回数を増やすためには、月ごとに決められた金額を支払う他にポイント購入の必要があります。
登録会員数が450万人を数える、月額定額制の出会い系サイト「pairs」のポイント料金体系です。
月額5460円の定額制を採用していると同時に、いいね!を押すために必要なポイントを別途販売しています。
1ポイント=1いいね!に換算することができますが、10ポイントを利用するためには1ポイントあたり98円、500ポイントを購入するためには1ポイントあたり70円が必要。
月ごとの費用がかさむことも考えられます。
同様に、定額制のサイトでポイントを購入しようとすると、想像以上の高さにびっくりしてしまいがち。
お金に余裕があって「出会い系サイトをヘビーに使い倒したい!」という人は、複数の出会い系サイトの有料会員になったほうが利用しやすいかもしれません。
メール受信は無料が多い
ポイント制を採用している出会い系サイトは、機能を利用するごとに料金を請求されます。
ただ、ほとんどのサイトは異性からのメール受信にかかる料金は無料にしています。
受信メール数によって支払額が変わるとすると、女性になりすましてメッセージを送るサクラが男性に大量にメッセージを送り付ける可能性があるでしょう。
出会い系サイト、アプリに登録すると、メッセージは送信するよりも受信するほうが多いでしょう。
これは、男性側が手打ちでメッセージを送る以上に、サクラやキャッシュバッカーらによるメッセージが多いことが理由です。
業者側は、メッセージ受信数の多さで「たくさん課金されちゃうんじゃ…」と不安がらせることを防ぐため、メッセージの受信料を無料にしているんです。
mixiグループが運営していて、人気アプリのランキング記事でも上位に位置しているYYCのポイント体系を紹介します。
女性は完全無料であることや、男性もプロフィール写真を見るのは無料である一方、メールを送信するには50ポイント、約50円が必要なことがわかりますね。
「1メールあたり10円」などと、メールの受信を有料にしているサイトも存在しています。
その場合はサクラメールの可能性が高いと言えるので、サービスからすみやかに退会したほうがいいでしょう。
高額な料金設定は悪質業者
料金を支払う仕組みには違いがありますが、その相場を外れる高い値段を付けるサービスもあります。
悪徳業者との評判が名高い出会い系サイト「Gee Talk(ジートーク)」の料金体系を例に説明していきましょう。
料金が高めの出会い系サイトは料金体系をトップページに表示させないサイトが多く、このサイトの場合もメールの送受信にかかるお金を表示させていません。
トップページは「無料で参加できる」とメリットをうたっています。
しかし、ログインすると料金体系が表示されます。
受信したメールを見るだけで220円、メールを送信するには170円も支払わなければなりません。
ポイント制を採用している「PCMAX」「ハッピーメール」などは、メール送信料は50円程度で、受信料はタダのものがほとんど。
ネット上でも評判が高いサイトとはメールの送信料金だけでも数倍の開きがあることがわかりますね。
利用者が多く、料金も安めのサイトを利用したほうが高額請求されることもなく安心だと言えるでしょう。
一方、「恋愛コミュニティ」をうたう「Jメール」のポイントはメッセージ返信の7ポイント(70円)が最大。
他と比べれば良心的な料金体系ではありますが、ページやフォントが古くさいことから、あまり信頼できるサイトではなさそうです。
出会い系サイトの料金を比較するポイント
料金で出会い系サイトが良いものか、悪質なものかを判断する材料は数多くありますが、メール送受信やプロフィール・掲示板の閲覧、連絡先の交換料などの料金でおおむね見分けることができます。
1通あたりのメール送信料
ポイント制のサイトの場合は、1通メールを送るごとに50円程度課金するのが普通。これが100円を上回るようなら、悪徳業者による運営ではないか疑ってかかったほうがいいでしょう。
評判が比較的悪い「ピュアアイ」の料金体系を参照します。
ピュアアイは運営会社のAD&D社が主催するカップリングパーティーを収益の主軸にしています。
そのため、女性の利用はパーティーに参加する場合の参加費(500円)以外は無料。
男性もパーティー参加費以外はほぼ無料ですが、ピュアアイのサービス内でメッセージを送る料金だけは500円かかります。
大手の定額制サービスでも高くて月5000円程度の料金であることを考えれば、たった10通メールを送るだけで他のサービスの料金を上回ってしまいます。
このようなサイトは、たとえサクラが紛れ込んでいなかったとしても「コストパフォーマンスが悪い」と考え、利用をやめたほうがいいでしょう。
プロフィール閲覧料
ポイント制のサイトの場合、女性のプロフィールを閲覧するだけでも10円程度のポイントがかかります。
たいていは無料か10円、高くても程度ですが、プロフィールに登録している写真を閲覧するときに、さらに20〜30円分を加算するサイトも。
これよりも高い価格を設定している場合は、小さい額であっても積もれば高額請求につながる可能性があると言えるでしょう。
連絡先交換料
先に上げた「GeeTalk」の連絡先交換料は1回あたり220円。
LINEのIDなど連絡先さえ交換できれば、その後のメールの送受信にお金はかかりませんから、この料金は良心的なものと言えるかもしれません。
ただ、定額制のサービスや一部ポイント制のサイトでも、連絡先の交換料は無料になっていることがほとんど。
サイトによっては連絡先を交換するだけで1000円以上のお金を請求される場合もありますが、ファーストメールを送った瞬間に、女子からの連絡がぱたりとやむ…なんてこともしょっちゅう。
連絡先を交換するだけでもお金がかかるサイトは要注意です。
掲示板、伝言板の投稿・閲覧料
出会い系サイトやアプリは、不特定多数が閲覧できる掲示板を用意しています。
この掲示板、伝言板は運営者側がマッチング相手を自動で選別してくれる機能とは別に、自分の手でマッチングする相手を探すための機能。
自分の趣味を異性と共有したい!という場合に使うと便利な機能ではあります。
会員がそれぞれ立てた掲示板、伝言板をすぐに閲覧するために、また課金が必要になるサービスが数多くあります。
これらの掲示板をのぞくのに必要な値段は10〜20円程度が相場。
また、サイトによってはアダルトな内容ものぞくことができる「裏掲示板」もあり、利用する場合は30円程度がかかるようです。
掲示板の中には、登録者の人となりを動画で音声で知るために、掲示板に投稿できる機能もあります。
上の画像は「ハッピーメール」の料金体系で、1ポイントあたり10円換算します。
ハッピーメールの場合、掲示板に写メールを投稿する場合に2ポイント消費。
掲示板に音声を添付する場合は3ポイントなど、細かい項目があります。
いずれも数十円程度の課金で済みますが、それぞれの機能を使うのに100円以上もかかるようなら、そのサービスは悪徳業者が提供しているものと疑ってみましょう。
評判が比較的良くない「イククル」の料金体系です。
イククルの場合、1ポイントを10円で買います。
女性が登録している動画を見る場合は400〜2000円が必要。
機能を1回使うだけで千円単位の出費が必要なサイトは「悪質」だと思ったほうが良いでしょう。
利用者が多くて課金が少ないサイトを選ぼう
利用者が少なければ少ないほど、出会い系サイトの運営者は料金をつり上げてサービスを保とうとします。
さらに利用者が少なくなった場合は、サクラやキャッシュバッカーの参加を認めて男性のサービスからの離脱を防ごうとします。
ユーザーが運営者が仕掛けたワナに引っかからないためには、なるべく利用者が多く、課金額も少なそうなサイトを選んだほうがいいかもしれません。
また、各サイトは初回登録時にもらえる無料ポイントを増やしている場合もあるので、最新情報は常にチェックしておきましょう。
課金する前の新規会員に対しては、既存会員よりも手厚くサービスするのが出会い系サイトの傾向です。
そのメリットを上手に活用しましょう。
無料の落とし穴
サイトやアプリの機能をフリーで使える完全無料制の出会い系サイトも中にはありますが、お金がかからないことにはそれ相応のリスクがあることを理解したほうがいいでしょう。
メールを送信できる相手がサクラ・業者
無料で出会い系サイトを運営しているのは、ページ内にあるバナー広告を踏んだときのアフィリエイト収入などに運営資金を頼っているサイトがほとんど。
アフィリエイトで収入を得る場合はサイトに流入する人の数が多いかどうかがポイントになりますから、サイト内でマッチングが成功し、メッセージを交換するようになったとしても、その女性が実在の人物であるかは疑わしいものがあります。
メールを送信できる相手がサクラや業者である可能性が比較的高いことや、そもそも無料サイトだと利用する男性の数が多く、競争相手も多いことが考えられます。
サービスが悪質か、そうでないかはさておき、メッセージでのやり取りにかかる労力を考えれば、有料サービスを利用したほうが結果的にマッチングの数も増え、よりよい出会いにつながる可能性も増えていくと言えるでしょう。
まとめ
最近の料金体型の主流は、月ごとの定額制とポイント課金の両方との併用。
また、サービスによっては出会うまでの料金をすべて無料にし、最初に出会う際のデートコースの設定などを有料にする「成功報酬」をサイトの利用料として支払うパターンも出てきました。
ただ、定額制のサービスは月あたり5000円程度を出費します。
ポイント制のサイトであれば、初期登録時にポイントがもらえることや、月ごとの使用料を抑えることで、月ごとの利用料金が定額制の料金よりも低く抑えることができるメリットもあります。
ヘビーに使い倒すのか、少しずつ利用するのかで、その人にとって良いサービスは違ってきます。
公式サイトに載っている体験談はもちろん、サクラや業者が紛れ込んだサイトでないかを価格設定から見抜き、よりよい出会いにつなげていきましょう。