出会い系サイト関連のサービスにより、児童(中学生と高校生)が被害者となる事件が年々増加してきています。
児童が被害に会った事件の記事を読むと、出会い系サイトと出会ったと書かれるものもよく目にするようになりました。
平成15年には出会い系サイト規制法が制定され、随時改正もされているのですが、そういうニュースの数が減ることはなかなかありません。
今回はそんな出会い系関連サイトによって、どれだけの児童が被害にあっているのか、
またどのようなケースの事件があるのか、危険性を解説していきます。
スマートフォンの普及により拡大する出会い系サイト関連の事件
警察庁の調べによると、中学生の約70%、高校生の約90%がスマートフォンを所持しています。
また、一家に一台と言われていたパソコンが一人に一台となり、インターネットに接続する環境が整備されてきました。
そんな背景から無料のSNSといった、これまで出会い系と呼ばれていたサービス以外にも人と繋がるサービスが増えてきたことで、児童が被害に合う事件の様子もひと昔前に比べて状況が変わってきているのです。
ひと昔前であればいわゆる出会い系サイトというもの注意を払っていればよかったのが、出会い系サイトではないサービスでも、見知らぬ人と繋がら会うことができる現代では、インターネットを使う児童すべてがその被害に合う危険性を孕んでいるといえます。
被害にあう児童は年々増え続けているその理由とは
警察庁が2016年4月に児童が絡むインターネットにおける犯罪の現状をまとめた「平成27年における出会い系サイト及びコミュニティサイトに起因する事犯の現状と対策について」という報告書を発表しました。
それによりますと、「出会い系サイト」の被害にあった児童の数は93人で前年に比べて50人減っています。
未だその数は多いとはいえ現象傾向にあるので安心できるかというと、そういうことではありません。
「コミュニティサイト」と呼ばれる出会い系サイトではないSNSやネット掲示板、ブログサービスを通して、被害に合った児童の数は約1650人と、前年から200人以上の増加となっているのです。
いわゆる「出会い系サイト」と呼ばれるサービスではない、安全のように見えるインターネットサービスによる被害が拡大してきています。
被害を甘くみないで!殺人に発展するケースもあります
出会い系関連での事件には、最悪の場合殺人に繋がるケースもあります。
しかもその動機はささいな口論やいさかいなど、一般的には考えられないものであることも多いのです。
中には金銭目的で出会い、結果的に強盗殺人や強盗殺人未遂となってしまうこともあります。
初対面の時に事件が起きているケースもあるため、「とりあえず一度会ってみる」という甘い考えは危険です。
会うまでどんな人間か分からないインターネットを通しての出会いでは、メールのやり取りで安心できる人だと思っても、実際にはそうではないケースも多いため、安易に相手を信用してはいけません。
出会い系サイトによる事件の様々なケース
出会い系サイト関連で起きる事件と一口に行っても、様々なケースがあります。
殺人とまでいかなくても、長期的に苦しめられるものなど多岐にわたります。
どんな小さな事件だったとしても、心に傷が残る場合もあるので、決して他人事だと思わずに考えてみてください。
(1)恐喝
出会い系サイトで出会った相手から恐喝され、お金を脅し取られるケースです。
出会った際に車や部屋などに監禁され、逃げられない状況で脅されることもあります。
ひどい場合には個人情報や携帯電話の番号までとられ、自宅まで押しかけるケースも存在します。
そうなると一度払っても弱みに付け込み、電話で呼び出され、長期に渡って何度もお金を請求される可能性も高いのです。
最悪の場合、恐喝だったものがエスカレートして監禁容疑になる可能性もあります。
また、女性だけでなく男性が被害に合うこともあります。
女性に会いにいくと彼氏と名乗る男性や複数の人がいて脅されるケースです。
特に男性は身体的に女性よりも有利な場合が多く、出会い系サイトで会う際もあまり警戒していないために起きています。
(2)詐欺
違法な額の利用料金を請求されるケースです。
やり取りをしている相手から、連絡先を交換するためなどの口実で会員登録やオプションの課金をすると高額な請求書が後日届きます。
いわゆるサクラというニセユーザーが課金するように促してきます。
支払いを拒否すると裁判を起こす、住所が分かるので家まで行くという内容の催促がくるため、詐欺と怪しんでいてもその恐怖からお金を支払ってしまうケースが多発しているのです。
怪しいと思った時点で勇気をもって、国民生活センターなどに相談しましょう。
(3)買春
いわゆるお金を受け取り、わいせつ行為に及ぶ援助交際と呼ばれるものです。
基本的には売春と分かるようなやり取りがあれば運営会社側で対策をとるのですが、別の言い表しなどを使い、端から見ただけでは分からなくなっていることもあります。
お金欲しさに安易な気持ちで売春に及ぶ女子もいますが、一度の売春に留まらず最悪の場合、他の被害に巻き込まれる可能性も高いです。
中には売春した際の映像や画像などを使って脅され、長期間にわたって苦しめられるケースも存在します。
後悔してからも、自らにも売春しているという後ろ目たさがあり、被害届が出せず問題が長期化するケースもあります。
特に昨今では児童買春への取り締まりも強化されているので、被害だけでなく、自らに容疑がかからないようにも注意しましょう。
(4)サイト運営者の逮捕
平成15年に「出会い系サイト規制法」が制定され、悪質なサービスを提供しているサイト運営者への目が厳しくなりました。
運営者に詐欺容疑がかけられるなどの事件が増え、随時規制が強化されています。
運営者側が自ら詐欺行為に及んでいたり、援助交際をはじめとする犯罪行為に関するやり取りがあるのを認知しながら、そのままにしている会社の経営者が容疑者として逮捕されるというケースなどがあります。
事件にあわないための対策
様々な被害のケースを見てきましたが、出会い系サイトの運営者側もあの手この手で、サイトに誘導しようとあの手この手の手段を使ってきます。
危険な被害に合わないための方法を持っておきましょう。
(1)優良サイトを利用する
まずは危険なサイトを使用せず、優良なサイトのみを利用するということです。
掲示板などを利用する際には、広告などに惑わされずに事前にそのサイトの安全性を確認しましょう。
また、出会いアプリの中には業者を使って不当に評価を上げているものもあるので、評価だけを見て安心しないようにすることも大切です。
(2)年齢確認があるか確かめる
2009年にできた法律で出会い系サイトには年齢確認とそれに伴う本人確認が必須になり、基本的に18歳以下の児童が利用できなくなりました。
しかし、掲示板や出会い系アプリはこの限りではなく、未だサイト上で事件に繋がるようなやりとりが行われているのが現状です。
また、未だに年齢認証が不要なサイトも存在しています。
1つめは国内の悪徳業者です。
どうしても年齢認証や本人確認の過程を入れてしまうと離れてしまう利用者がいるため、あえて年齢認証を行わない業者も存在します。
確実に危険なので利用しないようにしましょう。
2つ目は海外の出会い系サイトです。
出会い系の規制法はあくまで国内の業者を取り締まるものなので、海外法人が運営しているアプリの日本語版には対応していません。
違法ではないとはいえ、危険なことには変わりないため、利用しない方が賢明でしょう。
ネットの世界には危険があることを理解して被害を防ごう!
最近では誰もが使うようなサービスで人と繋がれるようになったため、危険なサイトと安全なサイトの線引きが難しくなってきました。
大切なのはサービスが安全か危険かという以前に、悪意を持ってサービスを利用する人間がいるということを理解しておくことです。
どんなにサイト自体が優良であったとしても、悪用する人間や、性的な目的で子供、特に女の子に近づくために嘘をつく人間が必ずいるので、自分でしっかり判断することが重要です。
ネットを使った出会いには危険性があることを把握して、注意しながらインターネットサービスを利用しましょう。